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HACCPで扱う危害要因は3種類 ①生物的要因

ある食品小売りの事業者Aさんと、こんな話が出たことがあります。

 

Aさん 「衛生管理って言っても、和菓子では人が死んだことはないからな。

     お腹こわすくらいだよ。」

ももろ 「・・・そうですか?」

 

 組合からのHACCP資料をみながら

 

ももろ 「あ!ここにひとり亡くなった方がいるって載ってますよ!」

Aさん 「えっ!和菓子で?」

ももろ 「おだんごに含まれていた菌が原因とありますね。。

     何が含まれていたか、どういう人が召し上がったかで

     最悪の事態もありえるんですね。。」

 

 

 

Aさんはびっくりしていました。

 

HACCPはコトが起きる前に防ぐ予防的管理方法です。

コトが起きてしまっては、取り返しのつかないことに

なってしまうかもしれません。

 

予防するための管理手段として、3種類のハザード(危害)要因を扱います。

3種類は、

・生物的(病原微生物など生きているもの)

・化学的(農薬や毒など人工的・化学的なもの)

・物理的(鉄、プラスチックの破片、貝殻の破片など)

の3種類の要因を扱います。

 

 

これらのうちのひとつ、

「生物的な要因」について。。。

 

《生物的要因》

 生物的な要因は、主に病原微生物です。

 

 ボツリヌス菌や大腸菌(O157など)、サルモネラ、

 黄色ブドウ球菌などの細菌。

 ノロウィルスなどのウィルス。

 アニサキスなどの寄生虫。

 その他、虫など、人体に危害を与える生物(微生物)が

 加わる可能性を予測をする必要があります。

 

  生物的要因について洗い出すには、専門的知識が必要になってきます。

 

 例えば、ケガをしている手には黄色ブドウ球菌が通常よりも多く

 存在します。黄色ブドウ球菌はエンテロトキシンという毒素をつくり、

 加熱しても排除できません。

  食品製造工場では、手にけがをしている人がそのままの手で

 手作り食品をつくることは避けなければなりません。

  

 

・・・というように、

リスクの洗い出しをするためには、

微生物に関する知識を持っている人を含めて計画を立てる必要があります。

 

次回、次々回に化学的、物理的要因についてもご紹介しますね。(*^-^*)