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HACCPで扱う危害要因は3種類 ②化学的要因

 

ある洋菓子製造小売りの専務と話したとき、こんな話がありました。

専務 「あるお客様がケーキを購入して、『洗剤がかかってる』と言われてことがあるんです」

ももろ「え!洗剤ですか!?」

専務 「確認したら、本当に粉洗剤だったんです」

ももろ「どうして入っちゃったのですか?」

専務 「工場のことをよく知らない従業員が、粉砂糖を入れるケースに

    粉洗剤を入れちゃったことがわかって」

 

このことが原因で、当時かなり噂にもなり、売上にも大きな影響があったそうです。

 

 

 

HACCPで危害を予防するための管理手段として、3種類のハザード(危害)要因を扱うと

前回書いた3種類は、以下のものです。

・生物的(病原微生物など生きているもの)

・化学的(農薬や毒など人工的・化学的なもの)

・物理的(鉄、プラスチックの破片、貝殻の破片など)

 

 

洗剤の混入は『化学的要因』となります。

 

《化学的要因》

 化学的な要因は、天然のもの、人工的なものなどあります。

 

 ・天然のもの

   キノコの毒、フグの毒、貝の毒、ヒスタミン、アレルゲンなど 

 ・人工的なもの

   残留農薬、残留抗生物質、クリーナー(洗剤)、潤滑剤、食物添加物など

   ※食品添加物は健康への影響が懸念される量以上の場合

 

 などです。

 

 

 ※アレルゲンとありますが、最近は様々な食材でアレルギーを持つ方が増えており

  アレルゲンとして、

  ・小麦、卵、えび、かに、等、特定原材料7品目、

  ・さば、さけ、大豆、くるみ、カシューナッツ、等、特定原材料に順ずるものとして

   20品目

  が指定されています。

  グルテンフリーなどの食品も増えてきていますが、グルテンフリー食品に

  小麦が混ざっていると危害要因になります。

 

  アレルギー対応の食品でない場合は、食品表示が義務付けられているため、

  購入者が自ら確認する必要があります。

 

 

冒頭の洗剤の混入、見た目ではわかりづらいかもしれませんが、

化学的要因が混入しないために、何かしら対策をとることは可能です。

・当日利用する食材は、工場責任者が実物確認する

・食材補給担当者を決めておく(知らない人にさせない)

・完成品を必ず試食する

など、考えられますね。

 

事故が発生し、それがお客様の健康へ影響し、事業の存続にもかかわることがあります。

 

製造工程がどのようなプロセスで進んでおり、どこで化学的物質が入る可能性があるか

洗い出して、危害をなくしていきましょう。(*^-^*)