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HACCPで扱う危害要因は3種類 ③物理的要因

HACCPコーディネーターの研修に参加しているとき、参加者約30名程度で、

他の受講生はほとんど食品関連企業に勤めている方々でした。

 

自社工場でこんなことがあった、訪問先でこんなことがあったと教えてくれます。

6人でグループになって、いろんな事例を考えます。

冷蔵庫メーカーの方、食肉製造卸業の方、乳製品製造卸の方などいろいろです。

 

ハンバーグ製造工程の事例を取り組みながら、食肉製造工場の衛生管理を担当しているAさんから教えてもらいました。

 

ももろ「事例の食肉工場、金属片が入る可能性ってほんとにあるの?」

Aさん「あるある。例えばミンチにするための機械のネジが外れるとか」

ももろ「えー、ネジ、外れることあるんですか」

Aさん「あるよー。だから最終工程には金属探知機は必須だよ」

ももろ「そうなんだ。。」

 

 

HACCPの危害要因である物理的要因について、包丁の破片が混入したり。。

などの話も出てきます。

信じられないかもしれませんが、包丁が欠けることも現実にあるのです。

 

ネットで見てみると。。。出てきます。

給食に包丁の破片が混入した!

気が付いたら包丁が欠けていた! などなど。

 

お手伝いしている食品工場も、

さびている包丁がいつも使う包丁と一緒にしまってあったり。。

というのも見かけることがありました。

間違って使ってしまう可能性がありそうで心配です。

 

 

大切なお客様の笑顔のためにも

食べた時に口の中を怪我した!のどに刺さった!のどに詰まった!

となるものを防がないといけません。

 

 

HACCPで危害を予防するための管理手段として、3種類のハザード(危害)要因を扱うと

前回書いた3種類は、以下のものです。

・生物的(病原微生物など生きているもの)

・化学的(農薬や毒など人工的・化学的なもの)

・物理的(鉄、プラスチックの破片、貝殻の破片など)

 

包丁の破片の混入はもちろん『物理的要因』となります。

 

 

《物理的要因》

 物理的な要因は、天然のもの、人工的なものなどあります。

 

 ・歯を欠いたり、のどに刺さったり、詰まらせたりするもの

 ・金属片、木片、プラスチック片、石など

 ・骨、ナッツの殻、貝殻など

 

 これらは、

 ・原材料に含まれていた

 ・製造機器から混入した

 ・従業員が持ち込んだ

 などが原因として考えられます。

 

 また、異物であっても、直接被害が発生しないもの

 ・髪の毛が混入した

 などはHACCPでの管理対象にはなりません。

 

 

物理的要因が混入しないために、何かしら対策をとることは可能です。

・最終工程に金属探知機を設置する

・原材料の検査をする

 (納入業者としてHACCPに取り組んでいるところを選択するのも安全策です)

・従業員が工場に私物を持ち込めないようにする

など、考えられますね。

 

 

Aさんの食肉工場でハンバーグやソーセージなどの場合、

その中に異物が混入すると目視だけでは十分ではありません。

X線で石やゴムなどを探知してくれる機械などがあるため、

活用することも考えられます。

 

 

お客様がけがをさせてしまうことは本当に避けたいですね。。

製造工程がどのようなプロセスで進んでおり、どこで物理的要因が入る可能性があるか

洗い出していくことは、製造工程を知っている自分たちができることです。

 

小規模事業者は機械を導入するまでは考えられない。。と思われる場合も多いです。

それでもできる取り組みは何か? から始めていけばいいのです。

 

まずは見える化、危害をなくしていきましょう。(*^-^*)