ある製粉関連事業者の社長からHACCPに取り組みたいと、
ご相談を受けたときに以下のような質問をいただきました。
社長 「ふんふん。
HACCPがどんなものかは概要はわかったと思う。
HACCP認証を考えているんだけど、どうすればいいのかな。」
ももろ「HACCPはよく認証取得などの広告があったりしますが、
HACCP自体は認証制度ではないんですよ。
自社が何を取り組むかを決めて、取り組みを記録にとって、
その結果を保健所が確認することもありますが、
継続、ブラッシュアップのPDCAのサイクルをしていくことなんです。」
社長 「そうか。。うちの取引先は大手スーパーもあって、
取引先からHACCPを求められたとき、
認証を示すことができるといいのかなと思ったんだけど。」
ももろ「確かに、認証があると、一定のレベル以上の取り組みをしている
と見られることにつながりそうに思います。
ただ、国としてHACCPの認証制度というものはないんです。」
総合衛生管理製造管理承認制度(マル総)で、HACCPの取り組みを
厚生労働大臣が承認する仕組みがあります。
この対象の食品は、乳、乳製品、清涼飲料水、食肉製品、魚肉練り製品、
容器包装詰加熱殺菌食品(レトルト食品)のみに限られています。
HACCPを全ての食品関連事業にHACCPの導入を義務付けることにしたため
マル総は廃止することが2016年に宣言されています。
そのため、国が承認するHACCP認証制度は今後はなくなり、
HACCP認証を取得したい場合、
・各食品関連団体
・地方自治体独自で進めているHACCP認証
などから選び、HACCP認証を取得することになります。
確かに、認証を取得していることは、一定程度のHACCPの取り組みが
できていると、外部に宣言するのに役立ちます。
現状、国内でのHACCP認証制度について、
農林水産省食料産業局企画課のセミナー資料(平成26年7月11日開催)では
(https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/77041.pdf)
以下のようにまとめられています。(上記URLより抜粋)
マル総は、厚生労働大臣によるHACCP認証制度ですが、廃止されるため、
その他の
・都道府県等における取組
・業界団体等における取組
・大手小売業者等における取組
より、HACCP認証を検討することが可能です。
ただ、認証取得にも投資が必要です(費用がかかる)ので、
投資対効果を考える必要があります。
認証をとると外部に示しやすいですが、
「HACCPに取り組む=認証取得が必要というわけではない」ため、
その点は間違えないようにしましょう。(*^-^*)
冒頭の製粉関連事業者さんは、都内にある企業でしたため、
東京都の自治体HACCP認証をご検討してみるということになりました。
HACCP の制度化については、法律の公布日(平成30年6月13日)から
起算して2年以内に施行することとされていますが、
制度の本格導入に向けて、施行後さらに1年間の経過措置期間を設けており、
結果として3年間程度の準備期間が設けられています。(厚労省Q&Aより)
HACCP制度化に向け、各業界毎で手引書を用意しています。
手引書については、また別の機会にご紹介いたします。(*^-^*)