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HACCP 基準A、Bって何? 手引書って何?

最近は和菓子屋さんのご支援が多いので、またまた和菓子屋さんですが。。

 

和菓子屋さんの大将に聞きました。

 

ももろ「この前組合から来ていたHACCPの手引書にあったチェックシート

    どうですか?」

大将 「あー、あれね。

    今度、組合員同士での衛生管理チェックやるんだよ。」

ももろ「組合のHACCPのチェックシートを使うんですか?」

大将 「まだわからないけど。」

ももろ「HACCPは義務化なので、数年のうちには始められれば大丈夫ですが、

    組合の用意したチェックシートは小さい事業者向けに用意された、

    ものなので、お店だけで取り組むよりは負担が軽いんですよ。

    確認はしておいたほうがいいと思います。。」

大将 「小規模事業者はやらなくていいんじゃないの?」

ももろ「HACCPは義務化なので、全事業者がやらないといけないんですよー。

    取り組みやすくしたのが組合の手引書とチェックシートですよ。」

 

 

この和菓子屋さんは70歳代の方がひとりで製造・販売をされています。

組合から送られてきた手引書に目を通すのも大変そう。

新しい取り組みを理解するまでに時間が必要です。

 

この手引書は、HACCPの取り組みの負担をできるだけ小さくして

HACCPに取り組んでもらうための国の施策でもあります。

この簡便にするための施策は「基準B」と言われています。

 

「基準B」があるということは「基準A」というものもあります。

厚生労働省では以下のように定義しています。

 

《基準A》

  コーデックスのHACCP7原則に基づき管理する

  「HACCPに基づく衛生管理」を行う。

 

《基準B》

  各業界団体が作成する手引書を参考に、簡略化された

  アプローチによる衛生管理である「HACCPの考え方を

  取り入れた衛生管理」を行う。

 

※コーデックス

  世界的に通用する食品規格

  詳細はこちらがわかりやすいです。(公益社団法人日本食品衛生協会)

  http://www.n-shokuei.jp/eisei/codex_sec01.html

 

※HACCP7原則

  HACCPには7つの原則と12の手段が要件となっています。

  こちらはまた別の機会にご案内いたします。

 

 

何かと言うと、

・コーデックスにあるHACCPの要件を満たす活動をする場合は、

 その通りに実施すること ・・・基準A

・そこまで行う体力がない場合は考え方を取り入れればいいよ、

 ということ ・・・基準B

ということなのです。

 

HACCPは、商品1つずつプロセスを工程を洗い出し、ハザード分析を

行い、対策を考え、実施し、記録していきます。

和菓子屋の大将のように一人で経営しているような小規模事業者の場合、

営業しながら完全にこなすことはかなり困難と思われます。

 

そのような事業者向けに用意されたものが基準Bです。

 

基準Bの対象事業者は以下のとおりです。

(厚生労働省「手引書作成の考え方にあたって」より)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000150002.pdf

 ① 小規模事業者

 ② 当該店舗での小売販売のみを目的とした製造・加工・調理事業者

 ③ 提供する食品の種類が多く、変更頻度が頻繁な業種

 ④ 一般衛生管理の管理で対応が可能な業種

 

 

手引書作成にあたっては、業界団体向けに補助金等も使われ、

順次用意されてきています。

 

手引書は厚生労働省のウェブページで紹介されています。

◆HACCP入門のための手引書

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000098735.html

◆業界団体が作成したHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書

 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000179028_00003.html

 

何をすればいいか、順を追って説明されています。

基準Bに該当する食品関連事業者のみなさま、

また、そのような事業者をご支援されているみなさま、

ぜひ、手引書を参考にHACCPの検討を開始してまいりましょう。(*^-^*)