HACCPの12手順の3番目です。
手順3:意図する用途の特定
製造した食品、販売した食品がどのように使われるのか、
を明らかにします。
誰に、どのように食べてもらうか、ということです。
ある洋菓子屋さんの専務がこんな話をしてくれました。
専務 「アレルギーでは大変なことがあったんですよ。」
ももろ「ケーキでですか?」
専務 「昔なんですけど、お客さんから
『これ卵使っていませんか?』と質問があったらしく
その時、対応したのがあまり製造工程をしらない従業員で
『はい』って言って、売っちゃったんです。」
ももろ「卵アレルギーですか?」
専務 「召し上がったお子さんが大変なことになってしまって、
亡くならなくてよかったです。
でも、アレルギーの怖さを思い知りました。」
提供する食品を食べる方がどんな方なのか、
この洋菓子屋さんの場合は、たまごを使っているケーキは
たまごアレルギーがある方には提供してはいけません。
ショーケースに並んでいるケーキは容器包装して販売するものではないため、
アレルゲン表示義務はありません(2019.7.1現在)が、
アレルギーを持つお客様が口に入れないよう、
アレルゲン表示をしておくことが推奨されます。
《手順3:意図する用途の特定 》
手順2で作成した製品説明に加えて、以下も書いておくようにしましょう。
◆意図する消費者(召し上がる対象者)
どのような人が口に入れるのかを明らかにします。
この後の工程で、HACCPのH(ハザード、危害要因)を挙げる際、
成人であれば大きな危害にならないものも、
子供が食べることで危害が大きなものになる場合、
それを見過ごさないようにするためです。
例えば、子供が感染しやすい、重篤になりやすい菌として
腸管出血性大腸菌(O157:H7)、ボツリヌス菌胞子などあげられます。
子供用の食品では、特に気を付ける必要があると言えるでしょう。
◆意図する使用法(食べ方)
消費者が購入したものの保管は常温か、冷蔵か、冷凍か、
食べる際に加熱するのか、しないのか、等を書き出します。
加熱調理する場合、調理の際に改めて殺菌する行為が加わります。
購入したそのままを喫食する場合とリスクが変わってきます。
手順2、手順3で製品説明が完了しました!
普段、なんとなく頭の中で思い描いていることを書き出してみると
違いが見えてきますね。
次は「手順4:製造工程一覧図の作成」です。
IT企業などでフローチャートを書いたことがある方は得意かも。。
ではでは。